アスペルガールのどっこい生きてる日々

52歳、女性、バツイチ独身、そして、アスペルガー2級です。発達障害のある人が、社会で暮らしていくにはどうすればいいか、具体的に紹介していきます。発達障害の方、発達障害のお子さんをお持ちの保護者の方に、是非来ていただきたいと思っています。

アスペルガーでもできる仕事って?

仕事に関しては、思うことはいろいろあります。

 

まず、私自身の現在の仕事から。

前回の記事でも少し触れましたが、進学塾で国語を教えています。

名前を出せば

関東の小6の親ならたいてい聞いたことのある、株式会社形式の塾です。

実をいうと、他の塾から転職組です。

現在の塾に入社した時には

50歳を超えてはいたのですが

身分は正社員です

(これは私も今でも信じられまません)

月収は手取りで20万後半から、

夏期講習など12時間を超えて働いている月には

30万を少し出ることもあります。

 

で。

何が言いたいかというと。

 

まず、自慢ではありません

(この状況がいつまで続くかは、保証の限りではありませんし)

 

言いたいことは

アスペルガー

職種を選びさえすれば、食べてはいけます、ということです。

 

私が塾の講師になったのは、偶然が大きかったとはいえ

かなりぴったりの職場ではありました。

アスペルガーは健常者よりも分析能力にたけているという

障害特性がありますので

生徒の定期テストの答案を見れば、

学校の先生の出題の癖、それに伴うヤマのはり方

生徒の勉強不足のジャンルと、居残りの課題

テスト前の学習計画の立て方など、物の10分程度で全部わかります。

 

しかも。

アスペルガーは健常者よりも異常に発達している部分があります

どこが発達しているかは、人によって違うのですが

私の場合は、「言語能力」のジャンルで

これは、アスペルガーかどうかの判定テストをしたお医者さんによると

言語ランクの一番上、

医者仲間でも、テストの結果にこんなスコアーを出す人が

この世に存在するのか、と

冷笑半分にネタにされているクラスの得点だったそうです。

 

また、アスペルガーは数字に強いこだわりを持ちますので

私の担当しているクラスの順位や、生徒の偏差値への関心は

おそらく、異常に近いものがあるのだろうと思います。

 

また、塾という世界は独特で

一致団結だの、協調性だのと言うことはあまり重視されません。

空気を読めないアスペルガーにとっては、かなり楽な職場です。

 

こう書くと、良いことずくめのようですが

もちろん、これは勘弁してほしいなあ、と思うこともあります。

 

例えば、生徒募集活動

週に二回早朝出勤で業務を済ませ

残りの時間は名簿を片手に、まったくの見ず知らずの家庭に

「無料体験にご参加なさいませんか」と電話しまくります。

人づきあいが苦手のアスペルガーにとっては

考えるだけでも胃の痛くなる業務です。

 

また、この時期には、入試の前に学校の門の前に行って

これから入試を受ける生徒と握手して激励をするという業務もあります。

講師の集合時間は、生徒の集合時間の一時間前

つまり、二月の寒空に六時半から一時間立ちづくめです。

まあ、ここまではいいとしても、

一番苦しいのは、

生徒は本命、滑り止めなどを取り混ぜて、七校ほどに出願し

実際に受けに行く学校は、その日までに発表になった合否結果によって

変えるのが通常ですので

講師としても、どの生徒をどこに応援に行くかが

前日の夜の十一時まで決まらない、ということなのです。

突発の事態や、急な変化は、アスペルガーが一番苦手にするものの一つです。

しかも、今までに一度も行ったことのない学校の場合

変化が苦手のアスペルガーにとっては、

不安感やいら立ちはかなりひどいもので

帰りの電車では、立っていられないほど消耗します

 

それでも、この仕事なら食べていけるのをとおりこして、

かなり楽に暮らせますので、文句の言えた義理ではないと

自分を納得させているのが現状です。

 

職種に関しては、私の場合は、塾の講師ですが

他に、例えば大学に残って研究者になる道や、

博物館などの学芸員や、理系の方ならコンピューター関連など

仕事は決してないわけではないと思います。

 

仕事に関しては、他にも言いたいことがないわけではありませんが

とりあえず、今回はここまでにして

また、別の機会に書いてみたいと思います。