アスペルガールのどっこい生きてる日々

52歳、女性、バツイチ独身、そして、アスペルガー2級です。発達障害のある人が、社会で暮らしていくにはどうすればいいか、具体的に紹介していきます。発達障害の方、発達障害のお子さんをお持ちの保護者の方に、是非来ていただきたいと思っています。

アスペルガーを知ってください① 過集中

アスペルガーの特徴って何、と聞かれることがあります。

アスペルガーの関連書籍などを読むと、実にたくさん挙げられているのですが

私に言わせれば

あのうちの九割が枝葉末節

つまり、根本になる特性から派生した

具体的なこまごまとした反応にすぎません。

 

では、その「根本」であり、「幹」である特性とは何か、というと

私は

その一つは過集中

だと思っています。

 

簡単に言うと、「のめりこみすぎる」ということです。

 

先日、メンタリストのDaigoさんが書いた

「好きなことを仕事にする」というタイトルの本を読んでいたら

「何かをやっていて、『もうこんなに時間がたっちゃったの』と思うことが

 本当に好きなこと

 本当に好きなことが何かわからない人は

 この『時間の歪み』があるものは何か、と考えると

 わかりやすいです」とう内容にぶち当たりました。

 

私が何よりびっくりしたのは

健常者は時間が歪まない

ということです。

私は、四六時中歪んでいますね

興味のあることをしているときは、三時間が十五分くらいにしか感じません

興味が無くても、何かにすぐに熱中しやすく

熱中し始めたら最後

それが引き出しの片づけでも、トイレの便器磨きでも

一時間くらい、すぐにたってしまいます。

逆に、本当にいやいやながらやらされている

仕事の一つ、上司から手渡された名簿をもとに

知らない人に電話をかけて

「当塾では(私は塾の講師をやっているのです)春期講習受付中です

 合わせて無料体験もいかがですか」とお誘いする

などということをやっていると

十五分が、半日くらいの長さに感じられます。

お金のためなので、我慢してこなしてはいますが

消耗のひどさは言葉になりません

 

つまり、まとめて言えば、こうです。

 ・興味のあることには集中を超えて、没頭する

 ・興味が薄くても、始めてしまえば

  「これが大好き」という健常者と同じレベルまで集中する

 ・興味のないことをさせられると、目は死んでいるし、ミスも多い

  業務のレベルが露骨に落ちる上に、その日は半日以上使い物にならないほど

  消耗する

 

没頭するならいいじゃないか、と言われそうですが

「没頭」です。「集中」のレベルを軽く超えます。

ですから

 ・電話の音は聞こえない

 ・話しかけてくる声も聞こえない

 ・切り上げる時間が来たのに気が付かない

 ・いい加減なレベルでやめることができない

   自分が納得するレベルまで仕上げてしまう。

   他の仕事が詰まっていても、配慮ができない

途中で遮られるのを嫌う。激怒する人もいる

   これは、途中で遮られると「どこまでやっていたか」を

   思い出せなくなるためです。

   いわば、今までやっていた仕事がゼロになってしまうようなものです。

   こう書けば、遮られるのを嫌がる気持ちが、少しは伝わ…りませんか?

 

ただ、この困った状況は

最初の指示だしの仕方を工夫してもらえれば、

かなり防げます。

例えば、仕事の終了時刻を明確に指示する。(何日の何時何分まで)

進め方は、細部を完璧にするのではなく

まず、アウトラインだけでいいから最後まで仕上げる。

その次に、内部を充実させていく

それも、まず全体的に三十パーセントの内容で最後まで仕上げる

次に、三十パーセントの内容の中で

基礎知識のない人が見たら引っかかると思われる部分に注を付ける

注が終わったら、五十パーセントを目指して、進めるところまで進める

期限が来たら、次に何をしたかったか、

それができるまでにはどのくらいの日数が必要かをメモ書きにして

一緒に報告する

 

というような指示があれば

かなり楽に動けます。

 

とはいえ、会社にこれを求めるのは事実上不可能でしょうが

例えば、ご家庭で宿題のやり方に困っておられる保護者の方など

一度お試しになる価値はあるかと思います。