アスペルガールのどっこい生きてる日々

52歳、女性、バツイチ独身、そして、アスペルガー2級です。発達障害のある人が、社会で暮らしていくにはどうすればいいか、具体的に紹介していきます。発達障害の方、発達障害のお子さんをお持ちの保護者の方に、是非来ていただきたいと思っています。

アスペルガー関連書籍に物申す② 「お金の管理ができません」という記事のウソ

アスペルガーって、こんな障害ですよ、と紹介する本は

このところ、かなりたくさん出版されてはいるのですが

中には、

「こんなのないない」

「これ、単なる個人差でしょ」

と思うものがかなりあります。

 

こうした本にまとめて喧嘩を吹っ掛ける、

以前、シリーズ化します、と宣言していた

アスペルガー関連書籍に物申す」

今日は、その第二弾

アスペルガーは金銭管理ができないのが特徴です」という項目です。

 

これは、カサンドラ症候群の奥さんが

アスペルガーの旦那さんを描いた漫画でも取り上げられていたこともあり

かなり広まってはいるのですが

 

はっきり申し上げます。

誤解です。

金銭管理はできます。

ただし、工夫次第です。

 

え、あのマンガ読んだけど

旦那さんがいつの間にか借金こしらえちゃって

いくら言っても、浪費ばかりする、って書いてあったわよ

いくらなんでも、あれまでウソ呼ばわりするのはひどくない、という

抗議の声が聞こえてきそうですが

 

私もアスペルガー、しかも、

1級に近いと言われた2級(かなり重いです)ですが

借金は家のローン以外、一度もしたことはありません。

 

そもそも。

アスペルガーは数字に非常なこだわりを持っていますから

お金の管理は得意ではないにせよ

苦手にはならないはずです。

 

それでも、つい使いすぎてしまうのは

以前書いた、「過集中」つまり、のめりこんでしまうからです

スーパーでの特売品の値引きシール

今まで食べたことのない、ちょっと珍しい果物

半値になった高級チョコ

私だって、気持ちはひかれます。

 

ですが。

ここが、頭の使いどころです。

出かけるときに、使っていい額を決めて

その額以上の現金をお財布に入れなければよいのです

「今日は総額二千円まで」と決めれば

頭の中で籠の中のものの値段の計算をしながら

買い物をすることは難しいことではありません。

買う前に、買い物メモを作って、

それ以外買わない、と決めるのも

かなり効き目があります。

そんな、子供じゃあるまいし、と言われそうですが

アスペルガーは、むしろ予定が決まっているほうが動きやすいので

メモ以外の物は買わない、と決めて

予定の額よりも買い物が安く収まったら、

コーヒーの空き瓶など、目に見える物に貯金をしていく、

これで、何とかなるはずです。

 

趣味の物もそうです。

一月の上限をいくら、と決めて

それ以上は買わない、というようにすれば

そうですね、少なくとも私はうまくいっています。

 

具体的には、私と父の二人暮らしですが

光熱費(これは父が払ってくれています)は別で

家は持ち家(家賃がないということです)

一月多くて9万、切り詰めた月は7万でやっていけます。

 

結論として

金銭管理は工夫次第です

「できない」と決めつけないでください

ということです、はい。

アスペルガーを知ってください① 過集中

アスペルガーの特徴って何、と聞かれることがあります。

アスペルガーの関連書籍などを読むと、実にたくさん挙げられているのですが

私に言わせれば

あのうちの九割が枝葉末節

つまり、根本になる特性から派生した

具体的なこまごまとした反応にすぎません。

 

では、その「根本」であり、「幹」である特性とは何か、というと

私は

その一つは過集中

だと思っています。

 

簡単に言うと、「のめりこみすぎる」ということです。

 

先日、メンタリストのDaigoさんが書いた

「好きなことを仕事にする」というタイトルの本を読んでいたら

「何かをやっていて、『もうこんなに時間がたっちゃったの』と思うことが

 本当に好きなこと

 本当に好きなことが何かわからない人は

 この『時間の歪み』があるものは何か、と考えると

 わかりやすいです」とう内容にぶち当たりました。

 

私が何よりびっくりしたのは

健常者は時間が歪まない

ということです。

私は、四六時中歪んでいますね

興味のあることをしているときは、三時間が十五分くらいにしか感じません

興味が無くても、何かにすぐに熱中しやすく

熱中し始めたら最後

それが引き出しの片づけでも、トイレの便器磨きでも

一時間くらい、すぐにたってしまいます。

逆に、本当にいやいやながらやらされている

仕事の一つ、上司から手渡された名簿をもとに

知らない人に電話をかけて

「当塾では(私は塾の講師をやっているのです)春期講習受付中です

 合わせて無料体験もいかがですか」とお誘いする

などということをやっていると

十五分が、半日くらいの長さに感じられます。

お金のためなので、我慢してこなしてはいますが

消耗のひどさは言葉になりません

 

つまり、まとめて言えば、こうです。

 ・興味のあることには集中を超えて、没頭する

 ・興味が薄くても、始めてしまえば

  「これが大好き」という健常者と同じレベルまで集中する

 ・興味のないことをさせられると、目は死んでいるし、ミスも多い

  業務のレベルが露骨に落ちる上に、その日は半日以上使い物にならないほど

  消耗する

 

没頭するならいいじゃないか、と言われそうですが

「没頭」です。「集中」のレベルを軽く超えます。

ですから

 ・電話の音は聞こえない

 ・話しかけてくる声も聞こえない

 ・切り上げる時間が来たのに気が付かない

 ・いい加減なレベルでやめることができない

   自分が納得するレベルまで仕上げてしまう。

   他の仕事が詰まっていても、配慮ができない

途中で遮られるのを嫌う。激怒する人もいる

   これは、途中で遮られると「どこまでやっていたか」を

   思い出せなくなるためです。

   いわば、今までやっていた仕事がゼロになってしまうようなものです。

   こう書けば、遮られるのを嫌がる気持ちが、少しは伝わ…りませんか?

 

ただ、この困った状況は

最初の指示だしの仕方を工夫してもらえれば、

かなり防げます。

例えば、仕事の終了時刻を明確に指示する。(何日の何時何分まで)

進め方は、細部を完璧にするのではなく

まず、アウトラインだけでいいから最後まで仕上げる。

その次に、内部を充実させていく

それも、まず全体的に三十パーセントの内容で最後まで仕上げる

次に、三十パーセントの内容の中で

基礎知識のない人が見たら引っかかると思われる部分に注を付ける

注が終わったら、五十パーセントを目指して、進めるところまで進める

期限が来たら、次に何をしたかったか、

それができるまでにはどのくらいの日数が必要かをメモ書きにして

一緒に報告する

 

というような指示があれば

かなり楽に動けます。

 

とはいえ、会社にこれを求めるのは事実上不可能でしょうが

例えば、ご家庭で宿題のやり方に困っておられる保護者の方など

一度お試しになる価値はあるかと思います。

2月分1000アクセスを超えました

タイトル通りです。

2月12日現在で、2月のアクセスが1000を超えました。

 

私は普段はブログのアクセス件数は見ないことにしています。

アスペルガーは数字に強いこだわりがあり

特に私の場合、いったんこだわり始めると

どうして今日はアクセスが少ないのか、だの

どこの検索エンジンに登録すればいいのか、だの

上位のブログとの違いは何だろう、だのと

どこまでも凝り始めてしまい

挙句の果てには、出勤時刻ギリギリになっても

パソコンの前から離れられなくなることが

多かったからです。

(今まで書いてきたブログも、それで閉鎖したものがおおくありました)

 

それが、本当に久しぶりに

なんの気なしに見たアクセス数が

おとといの段階で1036!!

 

1000人と言われても、数が多すぎて

群衆にすると、どの程度の規模なのか、見当すらつきません。

 

延べ人数とはいえ、それほど多くの方が私の書いたものを

読んでくださったのだと思うと、

なんとも言えず、静かに感動します。

また

それだけの人数の方が、アスペルガーを知ろうとしてくださったのだと

考えると

もっとわかりやすいものを、

もっと役立つものを、

もっとアイデアを出し、工夫をして

頑張って書いていこう、と思いました。

 

読んでくださった方、本当にありがとうございます。

より一層、精進いたしますので

今後ともよろしくお願いいたします。

 

なお、「これについてはどうなの」「これをどう思う」という

ご質問やコメントもお待ちしております。

お気軽にどうぞ

健常者にしないで欲しいこと① 友達を強要しないで

健常者の唱える道徳の一つに

「自分がされて嫌なことは人にしてはダメ」というのがあります。

 

悪いとは、思いません。

ただ、これはアスペルガーには

当てはまらないと思ってください。

 

アスペルガーは、生まれつき脳の動き方が

定型発達の人とは根本的に違います。

なので。

定型発達の人が少しも嫌だと思わないことや、むしろ喜ぶようなことが

アスペルガーにとっては、非常な苦痛になることが多いのです

 

その一つが、特に学校で強要される

「お友達」です。

 

アスペルガーにとっては、自分の興味のあることは

とことん興味を持つのですが、

逆に、興味のないことは、

この世に存在してもしなくても同じ、というレベルで

興味がありません。

ですが。

友達付き合い、となると、そうはいきません。

 

「わがままを言わずに、相手に合わせなさい」

「そうしないと、お友達ができませんよ」

「班活動を頑張って、班の回覧ノートを書きなさい」

「あなたがそういう態度だから、いつも一人ぼっちなんですよ」

 

私が高校を卒業するまで、ずっと言われ続けてきたセリフです。

ですが。

私が内心思っていたことはこうでした。

 

 ・無理して興味のない話に付き合わされても、何も楽しくない

  それどころか、興味のない話を聞かされていると強烈な眠気に襲われて

  起きていることができなくなる

   → 一人で好きなことをしている時が一番幸せ

 

 ・私が相手に合わせても、相手は私に合わせてはくれない

  ということは、私は相手を友達だと思っていても

  相手は私を友達だと思ってはいないのではないか

   → 片思いなら、せめて異性を思いたい

     同性相手に「私のお友達に…」などと片思いするような趣味はない

 

 ・そもそも班活動などなんの意味があるのか 

   → 掃除もレポートも発表も、結局は一番気の弱い人に押し付けるだけ 

     けっきょくは、担当になった人の個人プレーで、

     とてもチームワークなど養える場ではない

     それなら、タスクは個人に渡して、自分の仕事の責任を教える方が

     ずっと教育的ではないか

 

 ・一人ぼっちなのは、そんなにいけないことなのか

   → そもそも受験の志望校が違うのだから、数年後には

     必ずやこの同級生とはバラバラになって一人になるのに

     なんのために一緒にいなくてはいけないのか

 

 ・この連中も本当は仲がいいわけではなくて、一人がいなくなれば

  途端に、いなくなった人の悪口を言い始めるのに

  それでも、他人と一緒にいる人は尊いのか

  → 私は人と離れて一人でいるから、人の嫌なところは何も見ずに済む

    その分、いつも心穏やかでいられるのに、それは悪いことなのか

 

 ・そもそも、なぜ友人など必要なのか

  → 私が困ったときに助けてくれたクラスメイトなど一人もいなかった

    皆、知らんふりをした

    助けてくれたのは、物理的な問題は教師だけ

    生きることの辛さや悲しさを忘れさせてくれたのは、

             図書館でむさぼり読んだ

             オスカー・ワイルド芥川龍之介と塩谷七生だけ

    それなのに、こんな役に立たない「友達」を作るために

    時間と労力を使わなくてはならない理由は何か。

    少なくとも、費用対効果が悪すぎるではないか

 

中高生は生意気盛りなのもあり、かなり辛辣だったな、と

今の自分なら思えるのですが

この種の疑問を全部すっ飛ばし

押し付けられた「お友達と仲良くしましょう」のお題目は

その当時は、おぞけを振るうほど嫌なものでした

 

今思うと、当時はいわゆる「たのきんトリオ

つまり、ジャニーズ系アイドルが登場したばかりの時代でしたから

中高生がアイドルに夢中になるのも当然で

その中で、一人だけ、芥川の「地獄変」の美しさを説いても

だれも合わせてはくれないのは当たり前だと思うのですが

それがわからないのが、思春期というものでしょう。

理論は鋭くて、どこまでも純粋で、それだけに不寛容な時期です。

 

お近くにアスペルガーの人がいる場合は

私が書いたのとある程度同じことを考えているものと思って

接してあげてください。

 

特にそれが、まだ子供であったり学生であったりするときには

どうか、不用意に「お友達」を強要しないであげてください。

私にとっては、少なくともこれは

拷問に近いほどつらいことでしたから

 

  

アスペルガー関連書籍に物申す① 「アスペルガーの人はこう行動します」という説明のウソ 

 アスペルガーを健常者に紹介してくれる本について

いろいろな出版社から、いろいろな人が書いたものが出ています

それが

結構いい加減なものが多くて困ります。

 

題して

アスペルガー関連書籍に物申す」

これは、一言では言い切れないので

ここがおかしい、あそこが変だよ、と

シリーズで書いていきたいと思っています。

 

今回は、

アスペルガーの人はこんな行動をします」という紹介部分です。

これが、実にいい加減です。

障害特性としか言えないものも確かにありますが

これは個人差がある、少なくとも私は違う、と思われるものまでが

全部ぐちゃぐちゃに紹介されて

アスペルガーはこんな人」とまとめられているのを見るにつけ

なんとも、モヤモヤするというか。

これは違うぞ、と思う、というか。

ネイティブの日本人が、イタリア人の演出のオペラ

蝶々夫人」を見た時の気持ち、というか。

とにかく、不満がたまるのです。

 

アスペルガーの行動に、特有の癖があることは事実です。

ですが。

私に言わせれば、その特有の行動は、大きく三種類に分けられます。

 

① アスペルガー特有で、決して消せないもの

  (人の顔が覚えられない、などはこれにあたります)

 

 アスペルガーの傾向をもった人がとりやすいだけで

  工夫次第ではほかの行動をとれるもの

  (遅刻や、忘れ物、などはこれにあたります)

 

③ 完全な個人差

  (好きなものしか食べない、などはこれにあたります)

 

これをきっちりと分類し

特に②と③は、社会で生きていける程度に

まわりに合わせていく、というのが

アスペルガーの生き方の王道のように思うのですが

どうでしょうか。

 

ちなみに

特にアスペルガーのお子さんをお持ちの

健常者のご両親は、この分類を間違ってしまい

お子さんにも、ご自身にも大きなストレスを抱え込む原因に

なっていることが多いようです。

どうか、理解不足による不要な辛さに、苦しむことがありませんように

アスペルガーでもできる仕事って?

仕事に関しては、思うことはいろいろあります。

 

まず、私自身の現在の仕事から。

前回の記事でも少し触れましたが、進学塾で国語を教えています。

名前を出せば

関東の小6の親ならたいてい聞いたことのある、株式会社形式の塾です。

実をいうと、他の塾から転職組です。

現在の塾に入社した時には

50歳を超えてはいたのですが

身分は正社員です

(これは私も今でも信じられまません)

月収は手取りで20万後半から、

夏期講習など12時間を超えて働いている月には

30万を少し出ることもあります。

 

で。

何が言いたいかというと。

 

まず、自慢ではありません

(この状況がいつまで続くかは、保証の限りではありませんし)

 

言いたいことは

アスペルガー

職種を選びさえすれば、食べてはいけます、ということです。

 

私が塾の講師になったのは、偶然が大きかったとはいえ

かなりぴったりの職場ではありました。

アスペルガーは健常者よりも分析能力にたけているという

障害特性がありますので

生徒の定期テストの答案を見れば、

学校の先生の出題の癖、それに伴うヤマのはり方

生徒の勉強不足のジャンルと、居残りの課題

テスト前の学習計画の立て方など、物の10分程度で全部わかります。

 

しかも。

アスペルガーは健常者よりも異常に発達している部分があります

どこが発達しているかは、人によって違うのですが

私の場合は、「言語能力」のジャンルで

これは、アスペルガーかどうかの判定テストをしたお医者さんによると

言語ランクの一番上、

医者仲間でも、テストの結果にこんなスコアーを出す人が

この世に存在するのか、と

冷笑半分にネタにされているクラスの得点だったそうです。

 

また、アスペルガーは数字に強いこだわりを持ちますので

私の担当しているクラスの順位や、生徒の偏差値への関心は

おそらく、異常に近いものがあるのだろうと思います。

 

また、塾という世界は独特で

一致団結だの、協調性だのと言うことはあまり重視されません。

空気を読めないアスペルガーにとっては、かなり楽な職場です。

 

こう書くと、良いことずくめのようですが

もちろん、これは勘弁してほしいなあ、と思うこともあります。

 

例えば、生徒募集活動

週に二回早朝出勤で業務を済ませ

残りの時間は名簿を片手に、まったくの見ず知らずの家庭に

「無料体験にご参加なさいませんか」と電話しまくります。

人づきあいが苦手のアスペルガーにとっては

考えるだけでも胃の痛くなる業務です。

 

また、この時期には、入試の前に学校の門の前に行って

これから入試を受ける生徒と握手して激励をするという業務もあります。

講師の集合時間は、生徒の集合時間の一時間前

つまり、二月の寒空に六時半から一時間立ちづくめです。

まあ、ここまではいいとしても、

一番苦しいのは、

生徒は本命、滑り止めなどを取り混ぜて、七校ほどに出願し

実際に受けに行く学校は、その日までに発表になった合否結果によって

変えるのが通常ですので

講師としても、どの生徒をどこに応援に行くかが

前日の夜の十一時まで決まらない、ということなのです。

突発の事態や、急な変化は、アスペルガーが一番苦手にするものの一つです。

しかも、今までに一度も行ったことのない学校の場合

変化が苦手のアスペルガーにとっては、

不安感やいら立ちはかなりひどいもので

帰りの電車では、立っていられないほど消耗します

 

それでも、この仕事なら食べていけるのをとおりこして、

かなり楽に暮らせますので、文句の言えた義理ではないと

自分を納得させているのが現状です。

 

職種に関しては、私の場合は、塾の講師ですが

他に、例えば大学に残って研究者になる道や、

博物館などの学芸員や、理系の方ならコンピューター関連など

仕事は決してないわけではないと思います。

 

仕事に関しては、他にも言いたいことがないわけではありませんが

とりあえず、今回はここまでにして

また、別の機会に書いてみたいと思います。

アスペルガーをわかるには

私は塾の講師なので

生徒さんにはよく、こういいます。

「『知る』と『わかる』は違うんですよ。」と。

 

「知る」というのは、頭の中で理解はしている、という段階

「わかる」というのは、理解したことが実際に「ピン」とくるまで

自分の物になっている

もっと言えば、それに沿って行動ができる、ということ。

 

私が塾で教えている国語を例にとると

「小説では心情が大事だ」と思うのは、まだ小説のポイントを「知る」段階

問題文の小説の心情を表す言葉(嬉しいとか、悲しい、とか、やるせない、とか)

こうした言葉を見つけて、線を引けるのが「わかる」段階です。

 

アスペルガーは、まだ知られてから日の浅い障害です。

しかも。

障害の特性が、物事に没頭すると周りが見えなくなる、だの、

整理整頓が苦手、だの

興味のあることは熱心に追い求めるけれど、

興味のないことは完全無視、だの

空気を読めない、だのと

「そんな人、いくらでもいるじゃない」と言われそうなものばかり

なので

「頑張れば、克服できるんじゃない?」という

一見、しごく、ごもっとも

実際は、これが脳の機能障害によるものだということを全く理解していない

無茶ぶりもいいところ、という評価をされがちです。

 

なので。

私からの提案、というか、お願い、なのですが。

アスペルガーを、わかってください

アスペルガーの人間には、世界がどのように見えるのか

どう考えて、どんな行動をしがちなのか

わかってください。

 

とはいえ。

生まれつきアスペルガー

一度も健常者になったことのない私が

健常者が何を、どう感じるのかが全く分からないのと同じように

アスペルガーになったことのない健常者が

アスペルガーの気持ちをわかることは、かなり難しいと思います。

 

そこで。

私のおすすめ。

アスペルガーを主人公に、アスペルガーの人間の物の考え方

行動の仕方を、かなり正確に

健常者がドラマにした作品があります。

健常者なのに、どうしてこんなにアスペルガーの気持ちがよくわかるんだろうと

思わずびっくりするくらいでした。

おまけに。

エンターテイメントとしての完成度もかなり高く

「お勉強」意識なしでも、楽しく見られます。

そのうえ。

世界的に大ヒットしたドラマで、ツタヤあたりでもすぐに借りられます。

 

そのドラマのタイトルは

シャーロック

イギリスのBBC制作の、現代版シャーロックホームズです。

このシャーロック・ホームズは、

自分では「高機能反社会的人間」という、架空の用語で

自分の心情を説明していますが

第二シリーズの「バスカービルの犬」の回の中で

ワトソン博士が「彼はアスペルガーだから、いつもと一緒だと落ち着くんだ」

というセリフがあり

(言われたレストレード警部の方は、

アスペルガー、という言葉を知らないという設定らしく

「ア、アス、ベル?」などとどもっているのもリアルです)

アスペルガーと設定しているのは明らかです

特に、第三シリーズは

私は「バリバラシリーズ」とあだ名をつけているシリーズで

ホームズの気持ちがわかりすぎて苦しく、見ていられなくなりました

 

周りにアスペルガーの人がいて

あの人の気持ちがわからない、と思う方

(特に、アスペルガーの子供をお持ちのご両親)

是非、見ていただきたいと思います。